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バリ島はインドネシアアートを代表するほとんどのアーティスト達を生み出している。彼等は外国の新しいアートの流れを敏感に受け入れ、古より伝わる伝統技法と混合させることによりバリアートという特殊な文化を創造している。 今日ではバリ島に魅了された外国人やインドネシア人アーティストがバリ島に移り住み始めていることは芸術界でのバリ島の存在が大きなものになっていることを証明しているのだろう。
元々バリのアーティスト達は裕福な王族のスポンサーの元或いは地元の寺への寄進として絵画、石造や木彫りを作っていた。こういったアーティスト達は殆ど芸術家としての著作権を求めることは年頭になかったようである。さらに“昔からのもの”に拘るためどれも作品自体は同じものであった。 ヨーロッパ人アーティストがバリ島に訪れ始める事によりバリのアーティスト達は次第に作品の中での自己主張を始め、作品の著作権を確保するようになっていった。
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- バリには基本的に3種類の生地がある。エンドゥック(Endek),
グリンシン(Gringsing)
そしてトゥヌン・イカット(Tenun
Ikat).
一般にバリ島で売れれている生地やプリント服はジャバから伝わったバティックであるのでご注意を。
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エンドゥック(Endek)などの生地は殆どバリ人社会の限られた市場で流通しているため大規模な工業生産でなく全てが手作りと言えよう。
平行に織る糸を前もって織り上げるデザインの色に染め上げ、縦糸と織り込む。通常、平行に織りこむ糸は何色にも染められるが、縦糸は黒が利用される。全工程が織り終わらないと品質やデザイナーの力量は評価できない。幅1メートル、長さ6メートルの生地を織り上げるには通常数人掛かりで10日かかると言われている。これがグリンシン(Gringsing)が作られる工程である。
世界での生産地が2-3箇所しかないグリンシンは大変貴重な生地と称され、バリ島ではテンガナンの村で生産されている paradise-bali.comでも紹介しているようにバリ島のお土産としては絶対にお薦めの工芸品である。
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絵画
- 伝統カワサンアート
- バリの伝統的絵画であり、ゲルゲル統治領クルンクン地方にその起源をたどる。アーティストは“サンギン”と称されるアートを専門とし他統治領に招かれて宮殿や寺の装飾をしていた。
カワサンアートをマーケットで見つけのはそう難しい事ではない。使われている色が主にオレンジ系或いはブルー系で、ヒンズー教をテーマにジャワの“ワヤン-操り人形劇”に出てくるキャラクターをモチーフに描かれているものがカワサンアート。キャラクターは2つ。整った顔にスリムな体つきをしたものが“神”歪んだ顔に赤く太めの体つきが“邪”を表す。大きなキャンバスを幾つかのパネルに分け、それぞれのパネルで有名なストーリの場面を表現している。カワサンアートは主にヒンズー寺院で壁に掛けられていたり、カーテンやお祭り時の弾幕としてみることができた。(クルンクンのクルタ・ゴアに行くと現在でも使われている)
- 最近ではレストランのメニューの表紙などにも使われている。
著名なカワサンアーティストには独自のスクールを開講しているI Nyoman Mandraや様々な修復事業を行っているBpk. Mandra
はクルンクンをベースにしている。
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- 近年のバリアートはより海外からの影響を受けるようになった事は既に述べた。特にドイツ人のウォルタースパイズ(Walter Spies)やオランダ人ルドルフ・ボネ(
Rudolf
Bonnet)等の影響は多大である。この2人の画家はバリの画家達に現在主流になっている、新しいそしてより現実的で表現豊かなアート、日常生活の中でのワンシーンや風景などを教えた。その後現地のアーティスト達と共にGede Agung Sukawati the Pitamaha Painters
Associationを設立した。
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- 以下に代表的なスタイルをご紹介するが、価格はサイズ等によりずいぶんと異なるのでご留意ください。
バトゥアン
大きなサイズの絵画で画面1杯に日常生活をモチーフした小さなデザインが描かれている。多くは明るいカラーリングでユーモアのある作品である。
クリク
かなり小さい作品。通常は邪悪なキャラクターをファンタジ-一杯に描いたものが多い。
プンゴセカン
鳥、花や蝶を描いた作品。
ウブド
力強いライン、長い首、胸を張った姿勢に代表される人物画。特にウォルター・スピーズの影響が多い作品。作品は大きく、明色を使わない特徴がある。Dewa Putu Bedilは特に有名で入手も難しい。
モダン
近年では多くのバリ人およびインドネシア人画家がモダンアートの作品を制作している。Made Winata, Krijono, and Joko
などはインドネシアの感覚で抽象対と新しい色を組み合わせた作品で有名。
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- クリス
世界的に有名なクリスは13世紀のヒンズー教ジャワ人マイアパティ(Majapahit)の時代が起源とされている。クリス自体に生命と魂があると信じられており、政務に忙しい王が自分の結婚式に代理としてクリスを送ったというエピソードも残っている。
クリスはインドネシア全土で広く使われており、刃やハンドルの形状により分類されている。バリのクリスは通常特に大きく、刃は波状のダブルエッジとなっている。ハンドルには装飾が施されておりラマヤナの神をモチーフにしている。刃とハンドルの接続部分には自然石が埋め込まれている。ジャワ島のクリスは小さく、スマトラ島北部のものは真っ直ぐの1枚刃である。
価格は5,000ドル以上のものもあるが、平均して200-500ドルのものが中心。
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- マスク
バリ島に到着した瞬間から様々なサイズや形のマスクを目にすることだろう。現在ではマスクは主にお土産用として生産されている。インドネシア人にとりマスクを被ることは本人とは別の生命として存在することを意味する。宗教儀式に使われるマスクは寺院に保管され、店頭に並ぶことはない。但し、既に使用されていないものが販売されていることもある。
マスクの殆どがラマヤナ朝を表すもの。
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- 短く鋭角な鼻と白い顔のマスクは貴人を表し、赤面で団子鼻に欠けた歯をもつマスクは嘘吐きや愚か者を表している。
マス村ではお土産用でない本来のマスクを見つけることができる
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- 石造
バリ島を歩いていると数多くの石造を見かける。素材の石はパラス“paras”と呼ばれ、実際には石とは違う成分である。パラスは火山灰が砂と粘土と混ざり合い、年月を経て圧縮されたものである。その為柔らかく加工しやすく、苔も繁殖しやすい素材である。
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パラスの彫り物は古くから寺院の装飾に使われたり、王族達の庭に置物として利用されていた。一般家庭の居間に利用されることは殆どない。
- 石工師は画家以前に存在していたと考えられており、また画家のように規制を受けることもなかったようでさる。その為発想も自由奔放に広がり、例えば複数の性器を持つ神をも創造した。
好みの石像を見つけるにはタブブラン(Batubulan)を訪れるのが良いだろう。
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- 木彫り
石像と同様寺院を装飾する目的で広まったと去れている。伝統的には寺院の柱や梁に使われ、今日ではレストランなどにも用いられている。移動に便利なことから家庭向けの装飾に使いやすく、その為外国人の影響を受けることになった。
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- また、加工の容易さから木彫り師が彫刻家への道をとることにもなった。腕のより彫刻家に手にかかると破棄された木もりっぱな芸術品に変わってしまうのである。作品の殆どがラマヤナ朝をモチーフにしている。
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- 一般に加工しやすい柔らかい木は成長も早く、低価格である。通常はハイビスカスなどが使われ、硬い木ではナンカ(ジャックフルーツ)やカンポール(kampor)が使用される。
- 購入に際して注意すべきことは、使用される木は必ずしも完全に可能されたものではないので、低湿度の気候ではひび割れることもある。その為埃に塗れた古い木彫りを購入して、自分で磨くのがよいだろう。
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その他
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凧
第2次大戦中に日本人により紹介されたのが凧。その後急速にアートとして凧はバリで成長していった。トラックの後ろに引かれる4メートルもある凧を見かけることもあるだろう。
- 鳥の形をしたものやマストを持つ帆船の形をしたものある。凧上げの国際大会もあり、バリ産の凧は子供向けのお土産にはうってつけであろう。
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